マシュ・ケ・ナダ (“Mas que nada”)

Mas que nada は、ブラジルシンガーソングライタージョルジ・ベン作曲のボサノヴァ楽曲

 

ジョルジ・ベンの作品として、ブラジルにて1963年コンチネンタル・レーベルからシングルとして発売された。その後、フィリップスから発売されたベンの初アルバム『Samba Esquema Novo 』(サンバ・エスケーマ・ノーヴォ、訳:サンバ新体制)に収録。ブラジル国内で2か月で10万枚を越すヒットとなる。

1966年に、セルジオ・メンデスのアルバム『Sergio Mendes & Brasil’66 』に収録された女性コーラス入りのカヴァーが大ヒットし、世界的に有名になる。このヒットでセルジオ・メンデスが世界中の様々なジャンルの音楽ファンに知られるところとなる。

「マシュ・ケ・ナダ(Mas Que Nada)」は当時のサンパウロのスラングで「まさか」「なんてこった」「やなこった」等と言う意味。スペイン語の「Más Que Nada(最高)」と言う意味と混同されている。

ボサノバ定番の名曲
いま聴いても色褪せていない
独特のピアノのイントロで始まる、
セルジオ・メンデスのアレンジが有名ですね。

程よいテンポで聴きやすいのですが、
何回も聴いていると段々気になってくるのが

「マシュケナダって何?」

というもの。

ボサノバは基本的にポルトガル語なので、
他の曲だって意味なんてほとんど分からないのですが、
なにしろこの曲はところどころで何度も

「マシュケナダ!」

と言っているので、そりゃ一体何だろうとなるのです。

なまったポルトガル語なんです
マ・シュケ・ナダは「Mas Que Nada」、
正しい発音だとマスケナーダとなります。

日本語だと「おい、どうしたんだ」とか、
そんな感じのニュアンスで、
意味があるような、ないような、
どちらかというと掛け声に近いですね。

この曲名に何か特別な意味を期待していたら
がっかりしてしまいそうです。

よく間違われるのが
マ・シュケ・ナダの発音から「Mais Que Nada」、
と思われるもの。

これだと意味は「もっと、どんどん」といった風になり、
なんか違いますよね。

それから
スペイン語だと「Más Que Nada」は「最高」
という意味なので、このように訳されてしまうこともあるようです。

たしかに「おい、どうした」よりは
「最高!」で始まるほうが歌としては綺麗ですからね。

このような誤解を生んだ原因は
「Mas Que Nada」をマシュケナダと読むのは
かなり無理があるというか、なまった発音だからのようです。

これは最初に歌ったジョルジ・ベン
そのような歌い方をする人だったからのようですが、
それにしてもややこしいなあ。

歌詞も「どいてくれ! おれはサンバが踊りたいんだ」
といったぐらいの意味で、

同じボサノバの名曲である
トリステーザやイパネマの娘の哀愁ただようものとは大分違いますが、
これはこれで単純明快でいいですね。

原作者は?

この曲は女性コーラスが
「マ! シュケナ~ダ」というところから始まる
アレンジが有名すぎて、ほとんど定番になっていますが、

これはセルジオ・メンデスによるもの。

もちろん大ヒットしただけあって、
とても心地よい名曲になっていますが、
オリジナルが誰のものかも気になりますよね。

で、それが誰のものかといいますと
先ほども述べました
ジョルジ・ベンが歌っている曲がオリジナルです。

セルジオ・メンデスの女性コーラスの後に聴くと、まあ渋いです。
ボサノヴァというよりも、ジャズに近い雰囲気ですね。
しかし聴いてみる価値はあると思います。

歌声がとても魅力的で
さすがボサノバ定番の名曲を作った人だけあって、
凄い人なんだな、と思いました。

同時にこのオリジナルからあのアレンジをした
セルジオ・メンデスも凄いなー、とも思います。

聴いている年代も幅広い名曲ですし、
違いを比べるのも面白いので
ぜひ両方のバージョンを聴いてみてくださいね。

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